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<厚生労働白書 平成27年版 抜粋> 最近の傾向を抜粋しました!

[2016年01月10日]
<厚生労働白書 平成27年版 抜粋> 最近の傾向を抜粋しました!
 
お手すきの際にサラッと目を通して頂ければ、
婚活の参考になるかと思います。
 
 
未婚者の結婚に関する希望
(未婚者の大半が結婚を望んでいる)
 
非婚化・晩婚化が少子化の大きな要因とされる中で、
若者たちの結婚に関する意識はど のようになっているのだろうか。
 
 2010(平成22)年に国立社会保障・人口問題研究所が行った調査で、
未婚者を対象に 一生を通じての結婚に対する考えを聞いたところ、
「いずれ結婚するつもり」と答えた人 が、
 
18~34歳の未婚者において、男性で86.3%、女性で89.4%となっており、
未婚の 若者の多くは将来的な結婚の希望を抱いている。 
 
また、18~34歳の未婚者における希望する結婚の年齢については、
 
女性の約6割が20代のうちに、
 
また男性については約65%が31歳までに結婚したいと考えている
 
その一方で、
 
2010年における20代後半での未婚率は女性で60.3%、男性で71.8%に上り、
希望する結婚年齢と実際との乖離が生じている状況にある。
 

また、別の調査において、
 
20代及び30代の未婚男女の結婚の意向について、
恋人や交 際経験の有無別に集計したところ、
「恋人あり」の人の方が「恋人なし」の人や「交際経 験なし」よりも
結婚の意向がより強い傾向にあった。
 
もっとも、30代で交際経験のない 人においても、
その6割以上が「結婚したい」との希望を抱いている。
 
 
 
未婚者が結婚に至っていない背景 1結婚できていない・していない理由
(未婚者が結婚できていない主な理由は「適当な相手にめぐり合わない」
 
「結婚資金・生活 資金が足りない」) では、
未婚の若者が独身にとどまっている理由はどのようなものであろうか。
 
内閣府が行った意識調査で、
20代・30代の結婚を希望する未婚者に「今まで結婚していない理由」
を尋ねた結果を「結婚できていない理由」と「結婚していない理由」
とに区分した。
 
「結婚できていない理由」としては、
男女とも「適当な 相手にめぐり合わないから」と答えた人が最も多く
(男性55.0%、女性58.2%)、
 
次い で、「結婚後の生活資金が足りないと思うから」
「結婚資金が足りないから」を選んだ人が多かった。
 
こうした経済的な理由を挙げる人は、特に男性で多い状況にあった。 
 
また、「結婚していない理由」としては、「自由や気楽さを失いたくないから」が
男女と も多く、女性では「必要性を感じないから」「仕事(学業)にうちこみたいから」
と答え た人が男性よりも多かった。 
 
男性は経済面を懸念し、女性は自分の自由な時間が失われることを懸念する傾向があるが、
その背景として、若者を取り巻く厳しい雇用の状況や依然として、
女性が家事・育児の多くを負担し、仕事と家庭の両立が容易ではない状況にあること
も影響しているものと思われる。
 

(恋人のいる人では、経済的な懸念から結婚に踏み切れない人が最多) 
 
また、未婚者が結婚していない理由について、
恋人や交際経験の有無別にみると、「恋人あり」の人では
「結婚後の生活資金が足りないと思うから」など経済的な事情を懸念する
傾向にあるのに対し、「恋人なし」の人や「交際経験なし」の人では、
「適当な相手にめぐり合わないから」と答えた人が最も多く、
また「交際経験なし」の人では「異性とうま くつきあえないから」と
答えた人も47.0%いた。
 
 
 
結婚相手に求める条件
(男女とも性格重視。男性は女性に家事能力を、女性は男性に経済力を求める傾向も)
 
 次に、20代・30代が「結婚の決め手となった条件」や
「結婚相手に求める条件」としては、未婚・既婚を問わず、
男女とも「性格」を挙げた人が最も多かった
(男性91.9%、 女性95.0%)。 
 
一方で、男女で傾向が異なる項目としては、
女性は相手の「経済力」をとりわけ重視しているほか、
「職種」「学歴」「親の同意」を重視し、
 
また、男性は「容姿」「家事能力」を 重視する傾向にあり、
 
従来からの性別役割分担意識にも通ずるものがうかがえる。
 
そして、このような男女それぞれが結婚相手に求める要素が、
男性の経済面の懸念、女性の自由を失う懸念という、
 
結婚に至って いない要因にも影響を及ぼしていることがうかがえる。
 
 
 
結婚に至るまでのプロセス
 
恋愛結婚と見合い結婚
(結婚している人のほとんどは恋愛結婚)
 
若者が独身にとどまっている理由として最も多かったのは
「適当な相手にめぐり合わないから」であった。
 
そもそも現代の若者はどのようなプロセスを経て結婚に至っているのだろうか。
 国立社会保障・人口問題研究所の調査では、
2005(平成17)年から2009(平成21)年 に結婚した夫婦の88.0%が恋愛結婚で、
見合い結婚は5.3%に過ぎなかった。
 
恋愛結婚と 見合い結婚の割合は、1965(昭和40)年ころに逆転し、
その後、見合い結婚による夫婦 の割合は年々減少している。
 
 
 
交際プロセス
(結婚相手と知り合ったきっかけは、仕事関係や友人関係が多い) では、
 
恋愛結婚に至るまでの交際プロセスはどのようになっているのか。
 
 そもそも、男女はどのようなきっかけで知り合い、
結婚に至っているのだろうか。
 
内閣府が行った調査では、
20代から40代の既婚男女が結婚相手と知り合ったきっかけとしては
「社会人になってからの仕事関係」と答えた人が最も多く、
男女とも3割を超えていた。
 
 職場のつながりが薄くなったと言われる中においても、
職場や仕事関係における出会いが結婚に結びつくきっかけとなることは、
まだ多い現状にある。
 
次いで「友人などの紹介」「高校、大学時代の学校、サークル関係(社会に出る前)」
が続き、友人関係からの出会い が多いことがわかる
 
出会いのきっかけは多様なものがある一方で、
仕事関係や友人関係などが、結婚に至る出会いの多くを占め、
これら以外の機会から結婚に至る交際に発展するケースは、
相対的には少ない状況となっている。
 
 
 
交際の現状 (交際している異性がいない人が増えている) では、
このような結婚に至るような出会いのない若者の現状はどのようになっているのか。
 国立社会保障・人口問題研究所の調査では、
 
18歳から34歳の未婚者のうち、男性の 61.4%、女性の49.5%が
「交際している異性はいない」と答えており、この割合は増加傾向にある。
 

また、別の調査では、
未婚の20代・30代で「交際経験なし」の人は男性30.9%、
女性19.3%に上っている。
 
これを年齢別に見ると、20代前半の時点で男性の38.8%、女性 の25.3%いた
「交際経験なし」の人の割合は、20代後半になって大幅に減少する
(男性 で2割強、女性で1割強)も、20代後半以降は割合に大きな変化はみられない。
 

恋人が欲しい人の割合 (独身者の多くは、恋人を求めている) では、
現在独身で恋人がいない人は、特段交際相手を求めていないのだろうか。
 
内閣府の調査で、現在恋人がいない人に対して
「今、恋人が欲しいか」を尋ねたところ、20代 では男女とも「交際経験あり」の人の約8割、
「交際経験なし」の人の5割強が、「恋人が 欲しい」と答えていた。
 
30代後半では、「交際経験あり」の人では「恋人が欲しい」人の 割合に大きな変化はないが、
「交際経験なし」の人では4割強となっている)。
 
交際経験が無い人の場合、年齢が上がるにつれて恋人を欲しいと思う人は減る傾向にある。
 
 
 
恋人が欲しいと思わない人の理由
(恋人が欲しいと思わない人は、
「趣味に力を入れたい」「恋愛が面倒」と考えている) では、
逆に恋人が欲しいとは思わない人の場合、
 
その理由は何か。20代・30代の現在 恋人がいない人を対象に尋ねたところ、
男性では「自分の趣味に力を入れたい」を挙げる人が55.7%(女性57.0%)と最も多く、
女性では「恋愛が面倒」と答えた人が60.1% (男性52.6%)と最も多かった
 
また、一部には「異性と交際するのがこ わい」や「異性に興味がない」と答えた人もいた。
 
 
 
異性と交際する上での不安
 (異性と交際する上での不安を抱きつつも結婚を希望する若者を支援する取組みが求められる)
 先に見たとおり、未婚の若者の多くが、いずれ結婚することを希望している一方で、
交際している異性がいない若者は、男性で約6割、女性で約5割に上る。 
 
そこで、異性と交際する上での不安について、現在恋人がいない人に聞いたところ、
 
男女とも「自分は異性に対して魅力がないのではないかと思う」と
答えた人の割合が最も多 かった(男性46.0%、女性49.8%)。 
 
性別では女性の方が男性よりも「そもそも異性との出会いの場所がわからない」
(女性 47.1%、男性38.8%)、「自分が恋愛感情を抱くことが出来るのか不安だ」
(女性40.3%、 男性23.2%)と答えた人の割合が多い一方で、男性では「気になる異性がいても、
どのように声をかけてよいかわからない」と答えた人の割合が多かった(男性37.9%、女性 29.9%)(
 

将来的な結婚の希望を抱きながら、
このように交際を進めるにあたっての様々な不安や課題を抱えている若者も、
多いのではないだろうか。 
 
見合い結婚が大幅に減少し、出会いの きっかけは多様で自由なものとなっている反面、
交際やコミュニケーションの進めづらさを抱える若者にとっては、
かえって交際の機会が確保しづらくなっているように思われ る。 
 
このような不安や課題を抱きつつも、出会い、交際のステップを経て結婚を
目指していく若者の希望が実現できるよう、
支援していく取組みを進めていくことが求められる。
 

コラム:大学における「婚育」教育~明治大学における「婚育」講義
 
人口減少の大きな 要因の1つとして、
晩婚化と非婚化が挙げられる。
 
この流れを食い止めるべく、
各地の大学で「結婚」をテーマとした講義が開講されている。
 
本コラムでは、そうした「結婚」を テーマとした講義を、
早い段階から行ってき た、明治大学の「婚育」講義を取り上げる。
 
(必要なコミュニケーション能力を育てる 「婚育」講義)
 明治大学(本部:東京都千代田区)は、 
 
1881(明治14)年に法律学校として神田駿河台に設置された私立大学で、
現在では4 つのキャンパスと10の学部に約3万人の学 生が学ぶ総合大学である。
 
「婚育」の講義は、 文学部の諸富祥彦(もろとみよしひこ)教授 が
2008(平成20)年から、文学部の1・2 年生を対象に「こころの科学」
という授業の中で、和泉キャンパス(東京都杉並区)で 行っている。
 
 諸富教授は、カウンセリングの専門家であり、
学生の不登校・退学予防と卒業後に就職 先でいきいきと働くための力を養うために、
 前任校の千葉大学時代から、授業の一環で 「人間関係育成プログラム」を行ってきた。 
 
しかし、授業の中で、特に、男子学生が女子 学生と比較しておとなしいことが多く、
総じてコミュニケーション能力、特に異性とのコ ミュニケーション能力が低い傾向がみられた。
 
そのため、仲間との人間関係を構築する 力のみならず、将来の結婚にもつながる異性との
コミュニケーション能力を育成すること が必要であると考え、本講義で結婚のために 必要なコミュニケーション能力を育てようと している。 諸富教授は、最近の生涯未婚率の上昇の原 因として、若者の経済力や自尊感情、コミュ ニケーション能力の低下を挙げている。特
に、若年男性については、コミュニケーショ ン能力の低下に危機感を感じている。
 
 そこで、本講義では、受講者が毎回男女混 合6人のグループを組みグループワークを実 施し、
その中で、
①「質問力」などを用いた 人間関係構築力、
②自分が他人に与える印象 を意識する力
③会話をつなげて2者間の関 係を深める力、
④相手の良いところを見つけて積極的に伝える力、
⑤相手の話を「傾聴」 する力、⑥相手のことも大切に配慮しながら
 自分の言いたいことを上手に伝えていく力 (アサーティブな関係の構築力)
などの、若 者の結婚に関する希望の実現にもつながるコミュニケーション上の
資質・能力(コンピテ ンシー)が身につけられるように図っている。
 
(豊かな人生のためには家庭生活について 考える機会も大切)
 諸富教授は、「何も大学でそこまでしてあ げなくても」と思う人がいることも理解はしつつも、
職業生活にフォーカスしたキャリア教育が行われている一方で、
家庭生活につい て考える機会がないことに危機感を覚えており、
若者が今後の人生について考えるきっかけ作りとしてこのようなプログラムが
有用で あると考えている。また、高校段階から「婚 育」教育が必要であるとも指摘している。
 
 
 
経済的な余裕がなく結婚に踏み出せない若者
 
結婚に関する正規雇用と非正規雇用の現状
(若い世代の間でも、非正規雇用が増加傾向にある)
若い世代が結婚を希望しながらも実現できていない理由として、
経済的な理由も多く挙 がっているが、
若者の雇用の状況と結婚との関係はどのようになっているだろうか。
 
 2014(平成26)年には、雇用者の37.4%が非正規雇用となっており、
若い世代でも 15~24歳(在学中を除く)で30.7%、25~34歳で28.0%、
35~44歳で29.6%と約3 割を占めており、その割合はおおむね増加傾向にある。
 
 
 
(非正規雇用の男性は、正規雇用の男性と比較して配偶者のいる割合が低い)
 非正規雇用労働者は、正規雇用労働者と比較して収入が低いことが多いことから
近年の非正規雇用労働者の増加が、若者の非婚化・晩婚化に拍車をかける一因
 となっていると考えられる。 
 
実際に、男性については正規雇用労働者と非正規雇用労働者で配偶者の有無に
大きな差が生じており、たとえば30代前半の男性では正規雇用労働者の60.1%に
配偶者がいるの に対し、非正規雇用労働者では配偶者のいる割合が27.1%に留まっている。
 
 
 
 
 
結婚に関する正規雇用と非正規雇用の意識の差異
(非正規雇用の男性では、経済的な理由で結婚に不安を持つ人が多い)
 では、結婚に関して、正規雇用の人と非正規雇用の人とでどのような意識
の違いがある のだろうか。 30代前半の独身男性に対して、
現在結婚していない理由を尋ねたところ、正社員では 「適当な相手にめぐり合わないから」
と答えた人が最も多かったのに対し、
 
非正社員では 「収入が十分でなく結婚後に生活していくためのお金に不安があるから」
を選んだ人が最 も多かった。
 

また、別の調査で、
独身者に対して結婚生活を送っていく上で不安に思っていることを
尋ねたところ、男性では「経済的に十分な生活ができるかどうか」が56.8%で第1位、 
 
女性では「配偶者の親族とのつきあい」が61.3%で第1位だった)。
 
女性 では男性と比べて「配偶者の親族とのつきあい」「出産・子育て」
「配偶者や自分の親の介 護」をより不安視する傾向にあった。
 
 
 

結婚を希望する若者の支援のために求められる取組み
 (雇用の安定、出会いの支援、仕事と家庭の両立環境が重要)
 以上を振り返ってみると、
 
若者の結婚に関する希望の実現を支援していくために重要な
 視点は概ね次のように整理できる。まずは「相手にめぐり合えない」若者を後押しする、
 出会いの機会の確保や適切な支援である。
 
次に、とりわけ重要なのが、若者の安定した雇 用による経済的基盤の確保である。
さらに、結婚により「自由な時間を失うこと」「仕事 に差し支えること」への懸念や、
結婚後の出産・子育てへの不安を払拭していけるよう、
仕事と家庭・子育ての両立が実現できるように環境を整備していくことである。
 
(婚活支援も自治体の取り組む課題として理解されつつある)
近年、出会いの場の提供など、婚活支援に取り組む地方自治体は増えてきている。
 
自治体がいわば公費で、このような取組みを進めていくことについて
 の意見を聞いたところ、59.6%の人が「積極的に取り組むべき」
「ある程度は取り組むべ き」と答えている)。
 
若者の未婚化が、人口減少に直結する問題であり、
 
結婚を個人の問題として見過ごすのではなく、
行政が支援に取り組んで行くべき課題として、
理解されつつあることがうかがえる。 
 
一方で「最低限必要な範囲にとどめるべき」などの見方もある。
 
今後は、取組内容が、 ニーズを抱える若者への的確な支援となっているか、
地域活性化に寄与するか、といった点や、
取組みの実効性、創意工夫も求められていくと思われる。
 
 
 
(理想の結婚、出産を実現できるために、年齢と出産の関係やリスクについて
理解を深めることも重要である) 結婚や出産の年齢が遅くなるにつれて、
夫婦が持ちたいと願う理想の子ども数が、妊 娠・出産に至る確率の低下や不妊などにより、
必ずしも希望どおり実現できなくなっていくこと、
 
つまり、年齢と出産のリスクについての情報や知識を、若い世代が適切に持てる ように、
情報提供、理解の浸透を図っていくことが重要ではないだろうか。
 
これは、若い世代が、正しい知識と適切な判断のもとに、
希望するライフプランを思い描けるようにし、
 
それにより、就職、結婚、出産、子育てといったライフステージのステップを
歩んでいく願いをかなえるためにも、大切なことと思われる。 
 
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婚活工房 代表 広瀬 哲三
業界最大手 NOZZE加盟店 結婚相談所
電話:03-3699-1522(行こう!夫婦)
http://k-kobo.biz/
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<平成17年版国民生活白書抜粋>
単身世帯及び子どものいない世帯の増加により、子どものいる世帯は80年以来減少
しており、特にここ10年間では世帯総数に占める割合は90年の63.3%から2000年には53.2%ま
で急落している(第1-1-3図)
。中でも、30代及び40代ではその減少幅が大きくなってい
る。
ところで、子どものいる世帯について子ども数別の構成比を見ると、70年と比較して2000年
の割合はそれほど大きく変化していない(第1-1-4図)
。これは、子どものいる夫婦に限
れば、出生行動には大きな変化が見られないともとれる結果であるが、このデータでは、子ど
もを産み終えた夫婦とまだ産み続ける途中段階の夫婦が混在しており、子どものいる夫婦の最
終的な子ども数が増加傾向にあるのか減少傾向にあるのかは明確ではない。そこで、毎年生ま
れてくる子どもの数の構成比を出生順位別に見ると、85年以降、毎年の全出生児に対し第一子
の占める割合が徐々に大きくなる傾向が見られ、2004年では48.4%とその年に出生した子ども
の約半数となっている(第1-1-5図)
。第一子として生まれる子どもの割合が増加してい
るということは、つまり全体として子どもを二人以上持つ夫婦が減少しつつあることを示して
いる。夫婦と二人の子どもで構成される、いわゆる戦後の「標準モデル世帯」は、80年には全
世帯の20.4%を占めていたが、2000年には10.0%まで減少しており
3
、こうした傾向は更に続く
と考えられる。
5













...
...
...
...















3
総務省「国勢調査」
。妻の年齢が20~49歳の夫婦で、子どもが二人の世帯を集計。
32.4
8.6
7.3
12.1
28.8
8.6
7.0
10.3
34.0
12.1
7.4
11.7
35.0
18.6
9.9
16.5
20~29歳
30~39歳
40~49歳
(20~49歳
平均)
(%)
010203040
(備考)
 1.総務省「国勢調査」により作成。
2.各年代の「子どものいない世帯」が世帯総数(
「非親族世帯」と「単独世帯」を除く)に占める割合。
3.
「子どものいない世帯」とは、世帯主の年齢が20~49歳で、家族類型が「夫婦のみ世帯」

「夫婦と両親から成る世
帯」

「夫婦とひとり親から成る世帯」

「夫婦と他の親族(親、子供を含まない)から成る世帯」及び「夫婦、親と
他の親族(子を含まない)
」の世帯
子どものいない世帯割合
1970年
1990年
1980年
2000年
第1-1-2図 子どものいない世帯の割合が増えている
6
(備考)
 1.総務省「国勢調査」により作成。
2.各年代において、世帯主の年齢が20~49歳で子どもを有する世帯が世帯総数に占める割合。
27.7
83.2
84.4
26.4
79.5
84.7
69.4
18.7
70.5
80.4
63.3
18.3
58.1
53.2
67.4
73.1
20~29歳
30~39歳
40~49歳
(20~49歳
平均)
(%)
020406
080
子どものいる世帯割合
1970年
1980年
1990年
2000年
第1-1-3図 子どものいる世帯比率は減少
1,563
(備考)
 1.総務省「国勢調査」により作成。
2.妻の年齢が20~49歳の子どもを有する世帯について、子どもの数ごとの世帯の割合。
3.なお、
「男親と子供からなる世帯」と「女親と子供からなる世帯」については集計に反映されていない。
子どものいる世帯の子ども数ごとの割合
30.2
26.9
25.9
31.0
48.2
54.5
53.8
49.5
21.6
18.6
20.4
19.5
1,241
1,539
1,742
48.2
54.5
53.8
49.5
1,241
1,539
1,742
0
20
40
60
80
100
1970
80
90
2000(年)
(%)
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
(万件)
子ども3人以上
(左目盛)
子ども2人
(左目盛)
子ども1人
(左目盛)
子どものいる
世帯の数
(右目盛)
第1-1-4図 子どものいる世帯では子ども数は変わらない
(出生率の解釈と要因分解)
以上のように、子どものいる世帯そのものが減少しており、出生数は70年の193万人から
2004年において111万人まで大きく減少している(前掲第1-1-5図)
。なぜこうした少子化
が進んでいるのだろうか。
出生率にはいくつかの定義があるが、将来人口に及ぼす影響という意味で最も分かりやすい
のは、同一年生まれ(
「コーホート」という。同一世代)の女性の生涯における平均出生数
(コーホート合計特殊出生率)であろう。コーホート合計特殊出生率が約2.1、すなわちすべて
のコーホートの女性が生涯に平均して二人強の子どもを産めば、死亡率が変わらない限り人口
の増減はない。
しかし、コーホート合計特殊出生率は、そのコーホートが一般に子どもを産み終えるとされ
る50歳にならないと観測できないという問題がある。そこで、代替する指標として、期間合計
特殊出生率
4
を用いることが多い。これまでの合計特殊出生率
5
の推移を見ると、47~49年の第
一次ベビーブーム期では4を超える水準であった(第1-1-6図)
。その後、50年代前半に
急速に低下し、50年代後半から70年代前半の第二次ベビーブーム期までは2.1前後の安定した
数値で推移した。その後、70年代半ばから低下が始まり、80年に1.75だった合計特殊出生率は、
80年代前半にいったん上昇したものの、90年に1.54、2000年に1.36、2003年には1.29まで低下
し、2004年も1.29となっている。
7













...
...
...
...















(備考)
 1.厚生労働省「人口動態統計」により作成。ただし、2004年については概数。
2.出生順位ごとの出生数が各年の出生数に占める割合(出生順位が不詳は除く)及び各年の出生数を示した。なお、
2004年の「第三子」は、第三子及び第四子以降の子どもを合計した割合。
3.出生順位(第一子、第二子、第三子、第四子以降)とは、同じ母親がこれまでに生んだ出生子の総数について数え
た順序による。
出生順位別出生割合及び出生数の推移
44.5
47.5
45.4  45.4
42.3
42.1
43.5
47.8
49.0
48.4
32.6
37.6
39.0
40.4
40.7
36.1
36.5
37.6
39.3
37.6
161
182
193
190
158
143
122
119
119
111
32.6
37.6
39.0
40.4
40.7
36.1
36.5
37.6
9.1
39.3
37.6
13.8
11.2
11.8
14.4
15.7
15.8
13.2
11.8
14.0
12.7
3.7
2.9
2.5
2.5
2.9
3.1
2.6
2.9
161
182
193
190
158
143
122
119
119
111
0
20
40
60
80
100
1960  65  70  75  80  85  90  95  2000 2004 (年)
(%)
0
50
100
150
200
(万人)
第四子以降
(左目盛)
第三子
(左目盛)
第二子
(左目盛)
第一子
(左目盛)
出生数
(右目盛)












第1-1-5図 出生する子どもは第一子が増加傾向、第二子以降は減少傾向
4
これは、ある期間に観察される15~49歳の年齢別出生率を足し合わせたものであることから、出産のタイミング
の遅れなどにより、一時的に低下することがある。すなわち、期間合計特殊出生率の変化がコーホート合計特殊
出生率の変化に必ずしも結びつかないことに留意する必要がある。
5
以降、
「合計特殊出生率」と述べた場合、特に断らない限り、期間合計特殊出生率を指すこととする。
合計特殊出生率の変化を、結婚している人々の割合の変化による部分と、結婚した夫婦の出
生力の変化による部分に分解して見ると、80年代と90年代とでは合計特殊出生率の変化の要因
が大きく異なっていることが分かる(第1-1-7図)
。80年代の合計特殊出生率の下落幅
0.19のうち、0.17は結婚行動の変化、つまり結婚しない人が増えたことに起因するものであり、
夫婦の出生行動の変化はほとんど影響していない。一方、90年代では下落幅0.20のうち、結婚
行動の変化で説明される部分は0.08にとどまり、半分以上の0.12は夫婦の出生行動の変化によ
って説明される。つまり、80年代において少子化の原因は、主として未婚者の増加によるもの
であったが、90年代においては結婚行動の変化以上に、夫婦の出生行動の変化が出生数を抑制
していると考えられる。
こうしたことから、子育て世代の置かれている状況を理解するためには、未婚者が増えてい
ることと、夫婦の出生行動の双方に注目する必要がある。
(晩婚化・非婚化が急速に進んでいる)
ここではまず、未婚者が増加している状況を見ていくこととする。初婚の平均年齢の推移を
見ると、男性は80年の27.8歳から2004年には29.6歳に、同じく女性は25.2歳から27.8歳へとそれ
ぞれ上昇している(第1-1-8図)
。また、年齢層別初婚率を見ると、女性は20~24歳が75
年以降低下し続け、25~29歳についても95年以降低下に転じている(第1-1-9図)
。一方
で、30代の割合は上がり続けており、特に90年以降で高まっている。男性においても、20代は
70年代以降低下を続けているが、30代は高まる傾向にある。こうしたことから、特に最近20代
における結婚の先送りが見られ、晩婚化が進んでいることが分かる。
8
(備考)
 1.厚生労働省「人口動態統計」による。ただし、2004年については概数。
2.1947~72年は沖縄県を含まない。日本人のみ。
1.29
1.58
1.36
1.54
1.75
4.54
1.29
1.58
1.36
1.54
1.75
4.54
0
50
100
150
200
250
300
1947 50   55   60   65   70   75   80   85   90   95  2000 2004(年)
(万人)
0
1
2
3
4
5
出生数(左目盛)
合計特殊出生率(右目盛)










第1-1-6図 合計特殊出生率は低下し続けている
9













...
...
...
...















(備考)
 1.高橋重郷「結婚・家族形成の変容と少子化」大淵寛・高橋重郷編『少子化の人口学』
(2004年)により作成。
2.上記分析は、結婚行動や出生行動が極めて安定していた1940~51年生まれの女性を標準パターンとし、それ以降の
世代で結婚行動及び夫婦の出生行動に変化がないとした場合の合計特殊出生率シミュレーションによって求め、合
計特殊出生率の実績値と比較することにより、それぞれの行動変化の影響を測定したものである。グラフ作成に用
いた数値は、国立社会保障・人口問題研究所の岩澤美帆氏の計算による。
-0.17
-0.08
-0.02
-0.12
-0.25
-0.2
-0.15
-0.1
-0.05
0
1980~90年
90~2000年
夫婦出生行動
(夫婦が持つ子どもの数)
による変化量
結婚行動
(晩婚化・非婚化)
による変化量










第1-1-7図
出生率の
低下要因は90年代に入り夫婦の出生行動の変化が大きな割合を占めるようになっ
ている
(備考)
 1.厚生労働省「人口動態統計」により作成。ただし、2004年については概数。
2.初婚の夫・妻について、結婚式を挙げた時又は同居を始めた時の年齢。
27.8
28.0
28.1
28.3
28.4  28.4  28.4
28.5  28.5
28.6
29.6
25.3
25.4
25.6
25.8
25.9
26.0
26.2
26.7
27.8
28.8
29.1
29.4
29.0
28.7
28.5
28.5
28.4
28.4
28.5
28.4
28.2
28.0
27.9
26.4
27.0
27.6
25.3
25.4
25.5
25.7
25.8
25.9
26.1
26.3
26.6
26.8
27.2
27.4
25.2
25
26
27
28
29
30
1980  82   84   86   88   90   92   94   96   98  2000 2002 2004(年)
(歳)


第1-1-8図 平均初婚年齢は夫妻とも上昇し続けている
次に、生涯未婚率の推移を見ると、男性は85年まで女性を下回っていたが、その後急激に上
昇し、2000年には12.57%にまで至っている(第1-1-10図)
。一方、女性は90年までは横ば
いで推移したが、それ以降上昇し、2000年には5.82%となっている。このように男女の傾向に
違いは見られるものの、未婚率は、特に最近急速に高まっている。
10
0
20
40
60
80
100
120
1960  65   70   75   80   85   90   95   2000  2003
(年)
(男子人口千対)
20~24歳
25~29歳
30~34歳
35~39歳
40~44歳
45~49歳
20~24歳
25~29歳
30~34歳
35~39歳
40~44歳
45~49歳
0
20
40
60
80
100
120
1960  65   70   75   80   85   90   95   2000  2003
(年)
(2)妻
(女子人口千対)
(1)夫
年齢層別初婚率の推移
(備考)
 1.厚生労働省「人口動態統計」により作成。
2.各届出年に結婚生活に入ったもの。
第1-1-9図 初婚は20~24歳女性で大きく減少している
(晩婚化の進展もあり夫婦の出生力が低下している)
次に、夫婦の産み控えをめぐる状況を見ていくこととする。第一子を出生したときの母の平
均年齢の推移を見ると、80年の26.4歳から2004年には28.9歳へと、前項で見た女性の初婚年齢
の上昇に伴い、着実にその年齢も高まっている(厚生労働省「人口動態統計」

。我が国では、
出生する子どもの98%以上が夫婦の嫡出子であることからも、出生する子どもの数を考えると
きに、結婚しているかどうかが重要な鍵を握っていると言える。
母の年齢層別の第一子出生数を見ると、20代の出生数の低下傾向が続いている一方で、30~
34歳の出生数は緩やかに増加を続けている(第1-1-11図)
。なお、出産に伴うリスクが高
くなると言われる高齢初産年齢(35歳以上)
6
である35~39歳での出生数もわずかながら上昇傾
向にあり、全体に占めるその割合は70年の1.8%から2004年には8.7%まで上昇している。こう
したことから、晩婚化が出産(初産)年齢に大きく影響していることが分かる。
また、妻の結婚年齢別で見た出産パターンによると、おおむねどの結婚年齢においても、結
婚後1~2年の間くらいに第一子を出生している(第1-1-12図)
。そして、第二子、第三
子の出生は、30歳未満で結婚した妻においては2~3年間隔になっているが、それ以上で結婚
した妻においては出産間隔が短くなる傾向が見られ、だいたい38歳で頭打ちとなっている。こ
のように結婚年齢の遅れに伴って産み始めが遅れることで、出産が可能と考えられている期間
が短くなっていると考えられる。
11













...
...
...
...















(備考)
 1.厚生労働省「人口動態統計」及び国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」により作成。
2.生涯未婚率は、総務省「国勢調査」により算出。SMAM
(Singulate mean age at marriage)は、静態統計の年齢別
未婚率から計算する結婚年齢であり、次式により計算する。SMAM=
(ΣCx-50・S)
/
(1-S)
ただし、Cxは年齢別未婚率、Sは生涯未婚率である。生涯未婚率は、45~49歳と50~54歳未婚率の平均値であり、
50歳時の未婚率を示している。
男女別人口及び生涯未婚率の推移
8.99
5.57
12.57
1.18
1.26
1.50
1.70
2.12
2.60
1.46
3.89
5.10
4.33
1.35
4.32
4.45
4.32
3.33
2.52
1.87
1.46
5.82
1.18
1.26
1.50
1.70
2.12
2.60
1.46
3.89
5.10
4.33
1.35
4.32
4.45
4.32
3.33
2.52
1.87
1.46
5.82
0
2
4
6
8
10
12
14
1950   55   60   65   70   75   80   85   90   95   2000
(年)
(%)
20
25
30
(百万人)
生涯未婚率(男性)
(左目盛)
15~49歳
男性人口
(右目盛)
15~49歳
女性人口
(右目盛)
生涯未婚率(女性)
(左目盛)
第1-1-10図 1985年以降男性の生涯未婚率は急上昇している
6
例えば、厚生労働省「人口動態統計」によれば、自然死産率は、30~34歳で11.9であるのに対して、35~39歳で
17.2、40~44歳で28.6、45~49歳で70.9と母親の年齢が進むにつれて大きく上昇している。
12
0
20
40
60
80
1970   75   80   85   90   95   2000  2004
(年)
(万件)
15~49歳総数
15~19歳
20~24歳
25~29歳
30~34歳
35~39歳
40~44歳
45~49歳
第一子の出生数の推移(母の年齢層別)
(備考)
 1.厚生労働省「人口動態統計」により作成。ただし、2004年は概数。
2.母の年齢層別の出生数のうち、出生順位(同じ母親がこれまでに生んだ出生子の総数について数えた順序)が
第一子となる子の出生数。
第1-1-11図 初産件数は20代が減少し、30代が増加
(備考)
 1.国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」
(2002年)により作成。
2.妻の結婚年齢ごとに、出生順位別の母の平均出産年齢を示したもの。
3.出生順位(第一子、第二子、第三子)とは、同じ母親がこれまでに生んだ出生子の総数について数えた順序による。
出生順位ごとに見た平均出生年齢(妻の結婚年齢別)
19.48
21.07
23.24
25.15
29.01
30.93
32.86
34.68
36.57
22.40
23.96
25.78
27.06
30.69
32.18
27.08
37.50
36.72
35.16
33.46
31.59
29.68
27.82
37.85
37.50
38.00
33.47
35.89
28.87
24.78
20
25
30
35
40
15~18歳  19~20歳  21~22歳  23~24歳  25~26歳  27~28歳  29~30歳  31~32歳  33~34歳
35歳以上
(歳)
第一子
第二子
第三子
妻の結婚年齢
第1-1-12図 結婚年齢が30歳を過ぎると出産間隔は短くなる
 
(結婚するつもりのない人は少ない)
未婚者の結婚についての一般的な意識はどのようなものなのだろうか。18~40歳未満の未婚

1
に、一生を通じての結婚に対する考え方を尋ねたところ、
「いずれ結婚するつもり」と回答
した人の割合は、男女ともに、1982年の95%を超えていた状況から調査ごとにわずかに減少し
ているものの、依然として90%以上を占めている(第1-2-1図)
。逆に、
「一生結婚するつ
もりはない」と明確に回答している、言わば「否婚」の人の割合は、男女ともに、2002年にお
いても6%程度にとどまっている。
さらに、
「結婚している友人を見て幸せそうだと感じる」と回答した人の割合は、男性では
20歳未満で5割強、それ以上の年齢では約6割から7割となっている(第1-2-2図)
。女
性でも、最も低い35~39歳で6割強、最も高い30~34歳では7割強の人がやはり幸せそうだと
感じている。
 
(自由な時間を手放したくないと考えている未婚者が多い)
では、未婚者は、結婚するつもりがあるにもかかわらず、なぜ結婚しないのだろうか。結婚
の良くない点について尋ねたところ、男女ともに「自分の自由になる時間が少なくなる」

「行
動が制限される」

「自分の自由になるお金が少なくなる」といった、自由を制限されることを
懸念する選択肢に回答が集中している(第1-2-3図)
。また、女性では、
「義父母や親戚な
ど人間関係が複雑になる」

「家事に縛られる」といった家族関係や家事に関すること、男性で
は、
「家族扶養の責任が生まれる」といった回答が多い。
未婚者にとっては、結婚すると、自由な時間や気ままな暮らしを手放さなければならないば
かりか、責任や人間関係などに縛られるようになるとの懸念があることが、結婚をためらわせ
ていると考えられる。
また、社会が結婚しないことについて寛容となりつつあることも、未婚者を増やす一つの要
因となっていると考えられる。
「結婚は個人の自由であるから、結婚してもしなくてもどちら
でもよい」に賛成する割合は、92年には30.9%であったが、2004年には44.5%となっており、
社会全体として結婚を当然のこととしないようになっていることがうかがわれる(内閣府「男
女共同参画社会に関する世論調査」
(2004年)
 
(女性は結婚相手に対して経済力を重視している)
独身者に結婚をしていない理由について尋ねた結果を見ると、20~32歳独身男性、33~49歳
独身男性、20~30歳の独身女性及び31~49歳独身女性のいずれの区分においても、
「適当な相
手にめぐり会わないから」が最も高く、男女ともに6割程度を占めている(第1-2-4図)

では、その「適当な相手」とはどのような相手なのだろうか。結婚相手を決めるときに重視
することを尋ねたところ、男女ともに最も重視されているのは「相手の人柄」
、次いで、
「家
事・育児の能力や姿勢」

「自分の仕事への理解と協力」が挙げられている(第1-2-5図)

注目すべきことは、女性においては、これらに加えて相手の「学歴」

「職業」及び「経済力」
について、重視又は考慮すると回答した割合が高い点である。学歴がある程度職業選択に結び
付き、また職業に応じた所得格差が存在することを踏まえると、後で見るように、結婚生活に
おいては夫が家計収入を稼ぐべきという意識を女性は持っていると言うことができる。一方、
男性が女性よりも重視する又は考慮すると回答した割合が高い条件は、
相手の容姿のみである。
こうしたことから、女性が結婚相手に求めようとする条件は多岐にわたっており、特に男性と
比べて経済力に関心が高いことが分かる。
 
 
恋人から配偶者になることで最も信頼できる人になる)
実際に結婚している人たちは、共に暮らし生きていくパートナーとなった配偶者を結婚相手
として「適当な相手」とみなしているのだろうか。
今現在信頼できる人がいると回答した者に、最も信頼できる人は誰かを尋ねたところ、未婚
者は「母親」

「父親」

「友人」と答えた者がそれぞれ2~3割おり、
「恋人」を挙げた人の割
合は男性3.8%、女性8.3%にすぎない。一方で、有配偶者においては、男性85.0%、女性81.1%
がそれぞれのパートナーである「配偶者」と回答している(内閣府「社会意識に関する世論調
査」
(2004年)


2000年以降に結婚した人の86.6%が恋愛結婚である状況を踏まえると(国立社会保障・人口
問題研究所「出生動向基本調査」
(2002年)

、数%からしか信頼を得られていなかった多くの
「恋人」が、結婚することにより最も信頼できる「配偶者」へと変化したと言える。すなわち、
先に見た結婚相手への様々な条件を実際の配偶者がどこまで満たしているのかはともかく、結
婚して一緒に生活をしていくことにより、多くの夫婦において最も信頼を置く関係へと成長し
ていくようであり、こうしたことは、まさに結婚して初めて実感できるものと言えよう。
 
国際結婚もまた、多様な選択の中の一つの結婚のスタイルである。


年には、我が国の年間の婚姻件数の9
9.

%が夫妻とも日本国籍で、外国籍の妻との結婚は0.

%、外国籍の夫との結婚は0.4%といずれも非常に少ないものであった(厚生労働省「人口動
態統計」

。しかし、


年代後半から、外国籍の妻との結婚は2%台に乗り、



3年では3.8%、約

万8,0


件となっている。また、外国籍の夫との結婚も増加し、


年代後半からは1%程度を
占めるようになり、




年では約8,2


件となっている。
外国人である妻の国籍の内訳を見ると、


年代では韓国・朝鮮籍が最も多い(図)
。それ以外
の国籍の人が増えてきていることで次第に割合は減少しているが、




年においても1
9.1
%を占
めている。それ以外の国籍で大きく伸びてきているのが、中国(3
6.
7%

とフィリピン(2
8.0%)
である。
外国人である夫の国籍の内訳では、やはり韓国・朝鮮籍が多く、




年においても2
7.4
%を占
めているが、それ以外の国籍を見ると妻の場合とは異なり、中国1
0.

%、フィリピン1.4%であ
るのに対し、アメリカが1
8.
7%
で、韓国・朝鮮に続いている。さらに、その他の国が多いことか
ら、資料では個別の国としては示されていない欧州各国の人なども含まれていると考えられる。
また、ブラジル、ペルーも1



年以降徐々に増加している。全体として、日本人の男性は韓国・
朝鮮、中国、フィリピン、タイなどのアジアの女性と結婚していることが多く、他方、日本人の
女性は韓国・朝鮮に次いで欧米人などと結婚していることが多いという様子がうかがえる。
 
結婚の経済的なメリットには分業と規模の二つが存在)
結婚のメリットには様々な側面があるが、ここでは特に経済的なメリットに着目してみる。
経済学者G・ベッカーは、結婚のメリットを①夫婦の分業によるメリット、②家族の規模の拡
大によるメリット、③その他精神的充足など結婚固有の<